婚前同居~イジワル御曹司とひとつ屋根の下~
思わずギョッとして絶句すると、再び樹さんの唇が降ってきた。


さっきよりも甘く優しいキス。
いつもながら、私は樹さんにキスされるとトロ~ンとしてしまって、結局なにも抵抗出来なくなってしまう。


樹さんももちろん私の返す反応はよくわかっていて、私の手首を繋ぎ止める手の力を緩めてくれた。
その手が私の手の平の方に動いて、お互いの左手の薬指に嵌めたお揃いのマリッジリングがカチッとぶつかるのを感じた。


何度も角度を変えて啄むようなキスを繰り返し、そのうち深く絡み合っていく。
目を閉じていると、樹さんの唇の感触ばかりを強く感じる。
ドキドキするのに、甘酸っぱさを通り越して、私はなんとも官能的な気分に堕ちていく。


唇を離した樹さんが、私の首筋に顔を埋めた。
樹さんの熱い吐息に耳をくすぐられ、ビクッと身体を震わせる私を、彼はクスッと笑った。


「お前、ほんと、耳弱いな」


なんとも楽し気に呟いて、右手で遠慮なくドレスの上から私の胸を揉み回している。


「ん、あっ……」


思わず甲高い声を漏らした私の耳元で、樹さんがボソッと呟いた。


「帆夏。……今更かと思ったけど、一応言っとく」

「……え?」


樹さんが私に与える淫靡な刺激に身を任せながら、潤んだ瞳で彼を見つめた。
樹さんも顔を上げて、私をまっすぐ見つめ返してくれている。
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