婚前同居~イジワル御曹司とひとつ屋根の下~
樹さんがくれた風邪薬をグビッと飲んだら、夕方には鼻水も気にならなくなった。
翌朝も身体にだるさは感じないし、それほど体調も悪くなかった。
念の為に朝も風邪薬を飲み、もう鼻水がツーッと伝ってくるようなこともなく……よし、風邪撃退!とばかり、私はその夜、青木さんや他の先輩たちにつれられて、人生初の合コンにやってきた。


青木さん曰く……。


『帆夏ちゃんってね、男慣れしてないのがバレバレなのよ。イノシシみたいに突っ込んでちゃ、欲しい物はなんでも手に入る春海君みたいな男は引くだけだって』


さすがに、ちょっと落ち込んだ。


私、樹さんだけじゃなく、他の先輩たちにもそういうところ見抜かれてるんだ。
まあ、誰が見ても『こう見えて恋愛百戦錬磨なんです!』とは、思わないだろうけどさ……。


『私、入社当初から春海君と一緒だけどね。あの男、ああ見えて結構いろいろ悔しい思いしてきてるから。自分が必死にならなきゃ手に入らない物じゃなきゃ、本気にはならないと思うのよね~』


一理ある。
私も今まで割と、欲しい物はねだればなんでも手に入った。
おかげで二十三歳になった今、物欲はほとんどないと言っていい。
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