恋愛の始め方
再び、目が覚めた時。

隣に、間宮の姿ない。

いつものことだが、少し寂しい。

ガンガンと痛む頭にため息を零し、あたしは自分の服を身に纏う。

そして、貸してくれた服を洗濯した。

最後に乾燥機を使い、すぐ着れるようにし、ソファに畳んで置く。

そこで、ふと目に入ったモノに手を伸ばす。


〈鍵して、出てけ。返さなくて良い。来たい時に、勝手に来い〉


そんな置き手紙と一緒に置いてあった、鍵。

もっと、他に言葉がなかったのだろうか?

そんな文句をつけながら、間宮らしいとも思った。

部屋を出て、鍵を閉める。

その鍵を、大事に鞄の中へとしまった。

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