恋愛の始め方
「そ。でも、それはただの口実。看護師だったあたしが医師に戻って、今の病院に残るの勇気がなかった。だから逃げる為に、病院を移った」

「そうだったんだ」

「うん。それなのに戻って来たのは、お父さんの後継ぐため」

「お父さんの後って・・・」


あたしは、力強く頷く。


「直哉がお父さんが作った診療所で、地域医療をやりたいって言ってくれた。それで、そこの医師をやらないかって。だから少しでも数多くの患者を診るためにも、救命が1番良いと思って戻って来た」

「そっか」

「それで、かなにお願いがあるの」

「お願い?」

「一緒に行かない?」


かなは心底驚いたような、表情を浮かべる。

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