恋愛の始め方
無理強いさせる気はないが、かなが一緒に来てくれたら心強い。


「冗談、じゃないよね?」

「こんなこと、冗談で言わないよ」


何を考え込んでいるのかわからないが、かなは口を閉ざす。

そして何度目かのため息の後、口を開いた。


「地域医療の大切は、あの町に住んでたからわかる。あの町に診療所が出来て、住人の誰もが喜んだ。これで安心して、病気になれる。そう思った人だって、沢山居たはず。でも・・・」


かなはジッと、あたしのことを見る。


「期待が大きい分、あの町での医師へ信頼は異様だよ。どんな病気も怪我も、直して当たり前。そんな風に思ってる人たちが、多すぎる」


かなの言葉を、理解できないわけじゃない。

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