恋愛の始め方
「そうだ、志乃と飲もうと思って買って来たんだ」


そう言い、持ってきた買い物袋からビールやつまみを取り出す。

プッシュッと、缶ビールの蓋を互いに開ける。


「引っ越し祝いとこれからもよろしくってことで、乾杯」


かなの言葉に、どちらともなく缶ビールを交えた。

ゴクゴクッと喉を鳴らし、体にビールを流し込む。

なんで、ビールってこんなに旨いんだろう。


「今日を栄に、当分飲めないんだろうな」


程よく酔いが回って来た頃、かながそんな愚痴を零す。


「かもね。医師も看護師も、あたしとかなだけだしね」

「これだから、地域医療は」


人口も多いわけじゃないから、患者も多いわけじゃない。

だけど、いつ誰が急変するかもわからない。

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