恋愛の始め方
「すいません、お忙しいのに。院長も堂島先生も連絡が付かなかったもので」


あたしに気付いた看護師が、申し訳なさそうに声を掛ける。


「気にしないでください。で、お母さんの容態は?」

「今は落ち着いてます。これから念のために検査などをし、その後で方針を決めて行きたいと思ってます」

「そうですか」


医師の説明を軽く流し、あたしはお母さんの元へと歩み寄る。

目を覚ましたばかり、自分の状況が把握出来ていないのか?瞳を泳がせて居る。


「お母さん、志乃だよ。わかる?」

「・・・志、乃?」


お母さんは、ジッとあたしの顔を見る。

そして、小さな笑みを零した。


「大きく、なったわね?」


なんて、言葉を漏らす。

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