恋愛の始め方
両親が離婚して以来、あたしはお母さんと会って居なかった。

こうやって会話したのも、約20年ぶりだ。

そんなお母さんが「またね」と、言った。

次なんて、いつになるかわからない。

だけど「また会おう」って、意味に聞こえた。

それだけで嬉しくて、泣きそうになる。


「お母さん、あたし・・・お母さんが嫌いだったわけじゃない。あたしがお父さんに付いて行ったのは・・・」

「わかってるわ」


あたしの言葉を最後まで聞かず、お母さんは答える。


「志乃のことは、ちゃんとお母さんわかってるから」


そう言い、お母さんは小さく笑みを零した。

零れそうになる涙をグッと堪え、あたしも笑みを零す。


「行ってきます」


そして、あたしは病室を後にした。

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