恋愛の始め方
病室を出て、大きなため息を一つ零す。

そして足早に、あたしは病院を後にした。

タクシーで、式場へと向かう。

チラチラと腕時計を気にしながら、今度は急いで式場へと向かった。

タクシーから降り、ピンヒールをカツカツッと鳴らし、披露宴会場のドアを開けた。

お爺ちゃんとお婆ちゃんが居るテーブルへと向かい、静かに腰を掛けた。


「何処に行ってたのよ。もう、お式も終わりよ?」


お婆ちゃんの言葉に、小さく頭を下げる。


「すいません。ちょっと、野暮用で」

「おめでたい時に、外せない用だったの?」

「すいません」


少し膨れ面のお婆ちゃんに、苦笑いで対応する。

お婆ちゃんの言う通り、式は終盤で、これから花嫁の手紙を読もうとしていた。

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