恋愛の始め方
「志乃」

「はい」


お爺ちゃんに名を呼ばれ、返事をする。


「私らより、お前の方が直哉の家族だろ。代わりに、お前が行きなさい」


え?

いきなり、そんなことを言われても困るんですけど・・・


「花婿と花嫁のご家族の方は、こちらへお越しください」


司会の人が、声を掛けた。


「ほら、志乃。行ってきなさい」


お爺ちゃんに言われ、あたしは渋々席を立つ。

絶対、場違いだと思うんだけど・・・

心の中で、あたしはグチグチとボヤいていた。

だから感動の花嫁の手紙も、全く感動できなかった。

いつの間にか読み終わってしまった、花嫁の手紙。

そしてゆっくりと、花婿と花嫁がこちらへと向かって来た。

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