恋愛の始め方
そして、2人は手にしてた花束を家族へと手渡す。

直哉はあたしに、花嫁は花嫁の両親へと。


「おせぇよ。どこ行ってたんだよ」


あたしにだけ聞こえる声で、直哉が文句を言う。


「病院から呼び出された」


直哉は、あたしの言葉に眉を細める。


「お袋に・・・何かあったのか?」


直哉は、悪いことを想像しているのだろう。

直哉の顔色が、曇った。


「逆。お母さんが目を覚ました」

「本当か?!」


直哉は驚きのあまり、瞳を丸くした。

そんな直哉に、あたしは小さく頷く。

そして心底案したように、笑みを漏らした。


「顔、緩み過ぎ。まだ、披露宴の途中だよ」


あたしの言葉に、直哉は顔を引き締める。

そして最後の挨拶を、やり遂げる。

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