恋愛の始め方
重い腰を上げ、立ち上がるとまた足に激痛が走る。

痛ッい!!

ゆっくりと深呼吸をし、気を取り直して、怪我した方の足を庇いながら歩みを進めた。

スタッフルームで着替えをし、駐車場へと向かう。

いつもは感じないが、今日はヤケに駐車場が遠い。

やっと見えてきた間宮の車に、安堵のため息をつく。


「おせぇ」


仕方ないじゃん、怪我してんだから。

でも、間宮には怪我したことを言わなかった。

乗り込んだのを確認すると、間宮は何も言わずに車を走らせる。

間宮のマンションで駐車場を下り、いつものようにあたしの荷物を手にし、間宮は先を歩く。

そう重いわけでもないが、今日ほど持って貰ったことに感謝した日はないだろう。

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