君と私の恋愛経験値


…知ってるよ、バカ!

中学で失った女子力と、鍛え上げられた、おっさん力。舐めないで欲しいね。



「…なんできたの」


「からかいにきた」


「はぁ?なにそれ!」



いくら幼馴染っていっても、私たちは男と女で。男の子に免疫が全くないっていうのに、貝斗みたいなイケメンと同じ部屋に二人きりなんて、ドキドキしちゃうじゃんか。



ずっと姉弟みたいなもんだと思ってたのに、ドキドキするなんて、悔しい。




「あ、そっか。
俺と二人きりだと興奮しちゃう?」




ニヤッと笑う貝斗はどうせ、こんなシチュエーションに慣れているんだろう。



ムカつくムカつく!



私の知らない貝斗がいることも、私が知らない世界を貝斗が知っていることも。




「そっ、そんなわけないじゃん!」




「…なぁ、
あの男、どうだったの」




え?



意味がわからない質問に、驚く。



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