冷徹社長の秘密〜彼が社長を脱いだなら〜
「随分と閑散としているなあ。どうだ?絢」


「まあ立地はいいかもしれないわね。でも壁の色とかは気に入らないから塗り直すわ」


「あの、さっきから店内を随分と見回しているみたいですが、何かありましたでしょうか?」


黙っていられなかった。いきなり現れて何を言っているのかわからない。

立地だの、壁の色だの。ただでさえ、何もうまくいっていないのにイライラする。


「ここは、来月末に閉店することが決まったんだよ。その後にこの子が自分の店を出したいということで今日はその下見に来たということだ」


「はあ?閉店?何、言ってるんですか?そんなの聞いてません」


閉店?誰なの?このおじさん。さっきから言いたいことだけ言って、閉店なんてするわけない。そんなこと一言も聞いていない。


「おい、お前。誰にそんな口の聞き方をしている?儂はジョルフェムの専務だぞ。そこにいる娘は次期社長夫人だ。口の聞き方に気をつけろ!」
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