冷徹社長の秘密〜彼が社長を脱いだなら〜
「お前はもう」と言って社長は処置室を出て、三宅さんに電話を掛けた。

社長と三宅さんが繋がっていたこともビックリだったけれど、聞いたこと全てに驚きすぎて、一度頭を整理したい。ベッドから降りて身支度を整えた。


みゆちゃんがどうなったのか気にはなったけれど、戻ってきた彼女の態度を見て判断しよう。
それに三宅さんがちゃんと話してくれているはず。


「ほ、本当に申し訳ありませんでした」


三宅さんとみゆちゃんが戻ってくるなり、社長に頭を下げたので私も横に並び、一緒に頭を下げた。

三宅さんとみゆちゃんが土下座をしようとしたのでさすがにそれは「やめてくれ」と社長が止めてくれた。


でもみゆちゃんは目が真っ赤になっていて、また今にも泣き出しそうだった。


「私を解雇してください。社長に無礼を働き、侮辱をしてしまった責任を取ります」


「俺はまた今は偽社長だから言っていることは間違っていない。気にするなと言っても無理だろうからその分、期間限定ショップを任せる。そのときにはもう俺は正真正銘のジョルフェムの社長だからな」


その時の社長の言葉をよく理解できなかったけれど、それよりも私はやっと我に帰り、社長と両思いになり、キスをしてしまったことで頭の中がパニックになっていた。


でも、その言葉通り、ジョルフェムは生まれ変わることになる。でも、それはもう少し後の話。
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