もしも、もしも、ね。


「お前、変。」

「アンタにだけは言われたくないんだけど。」

「え?俺って変?」

「うん。私に言わせれば最高にこの上なく変。」



そしてその変ぶりは、今現在進行形であらわになってますけど。

つーか、今更だけど何で私こんな普通に会話してるわけ?

なんで篠田が変だってことがわかっちゃうほど分析してるわけ?



「アンタって、別に周りに言われるほどクールじゃないわね。」

「黙ってたら勝手に妄想膨らまされたんだって。

桜野だって、優しいとか穏やかとか言われてる割にかなり冷静じゃん。」

「立入禁止の場所に不法侵入しておいて、なんで猫の皮かぶり続ける必要があるのよ。」



ついでにアンタも嫌いだし。

って思ったけど、さすがにそれは言わなかった。

目線も合わせずに言った声の部分に関しては、「ごもっとも。」とそれはそれはおかしそうに篠田は笑った。

どこが笑うポイントあったかしら。



「やっぱり篠田変。」

「気のせい。」



そんなわけあるか。

個人各々の思考や区別の仕方に若干の差はあるだろうけど、
気のせいって全否定は頂けない。

だけど私のジトッとした目線にも気付かず、
篠田は空を仰ぎながら唐突に本題に切り込んだ。



「っていうか、さっきのことなんだけどさ。」


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