クールな上司とトキメキ新婚!?ライフ
「お前と俺、同じ匂いがする」
そう言うと、部長は私の髪を少しだけ指に巻きつけて遊びだした。
「髪も服も、俺と同じの使ってるから」
陽だまりと同じやわらかさで微笑まれて、否が応でも期待してしまう。
また、あんなふうにキス、されるのかな……って。
「今夜、他の匂いつけて帰ってくるなよ?」
もうダメ。心臓が爆発しそう。
なんでいきなりこんなことするの?
同棲だって企画のためなのに、ドキドキさせられたら勘違いしそうになる。
部長が、私を好きになるなんてありえないってわかってるのに。
ぎゅーっと閉じた瞳は、焼きついた部長の微笑みを映し出す。
きっと、今もその顔で私を見ているんだと思ったら、息をすることさえ忘れそうだ。
「待ってるから、ちゃんと帰ってきて」
音もなく、ただ触れただけのキスが額に落とされて。
部長の温もりが少しずつ遠ざかった時、やっと私は目を開けた。