クールな上司とトキメキ新婚!?ライフ
「捨て忘れでしたら、私が処分しておきますよ」
すかさずやってきた沙良さんが、彼の足元に落ちた缶を拾い上げた。
「それ、結構大切なものが入っているので持っていきます」
「……空き缶ですけど」
無遠慮に蓋を開けた沙良さんが、きょとんとして彼に問う。
「形になってたものは、もう食べてしまったんですけどね。目に見えないモノほど捨てられないでしょう?」
さすが千堂部長ですね、と先輩男子が感嘆の声を上げた。
企画に生かせそうだとメモを取っているけれど、その隣でひたすらパソコンに向きあう私は意味を成さない文章を打ち込み続ける。
受け取ってくれただけでも嬉しいのに。
そんなことをサラッとやってのけるから、諦めが悪くなる。
期待したって無駄だって思うのに、一縷の望みにまたしても賭けたくなるんです。