クールな上司とトキメキ新婚!?ライフ
「やっぱり勘付く人はいるよね。榎本って名乗っていたら。実は、私は社長の娘です。でも親の力で部長になるわけじゃないの。人事は経験を見てくださったみたいだけど、私にとっては突然のことだったんだから……ねぇ、千堂さん?」
隣に座っている千堂部長に同意を求めると、彼は私の好きな微笑みを彼女に向けた。
高嶺の花の部長に見劣りしない美しさの沙良さん。こんなにお似合いなんだから、一線を超えた関係だって想像がつく。
「あれ?瀬織さん、酒強かったっけ?」
「特に強くはないですが」
飲まなきゃやってられないんですよ、こんな状況。
目の前に幸せそうな2人。誰もが認める美男美女。
食欲が失せ、相変わらず地味を貫く仮面被りの私。
そんなことは知らずに盛り上がる先輩や同僚たち。
もう嫌になる。
社内恋愛なんて、するもんじゃない。
ツラいだけだもの。
楽しいことなんて、ほんのひと握り。