クールな上司とトキメキ新婚!?ライフ


「ちょっと、外の風に当たってきます……」

 個室の端っこでひたすら飲み続けたら、案の定酔ってしまった。
 中ジョッキ生ビールを2杯、梅酒サワー3杯、先輩につき合った日本酒を1合。私にしては上出来だ。


「このまま帰っちゃいたいなぁ」

 会計は先に済ませてある。足が出たぶんだけ当日会計にさせてもらっておいてよかった。


 真冬の夜風はとても冷たくて心地いい。いつもなら肩をすくめてしまうけれど、今夜はこのまま凍結されたいくらいだ。

 もうどうにでもなれ。
 自棄になっても仕方ないってわかっているからこそ、やり場のない切なさが込み上げてくる。



 賑やかな金曜の夜、ホワイトデーの浮かれた装飾。
 どれもが目障りで店の前を離れ、会社の方向へと歩き出した。

 帰りたくもないし、戻れもしない。出てきたのは自分の意思なのに、行き場を失うなんて、どことなく片想いと似てて悲しくなった。

 こういう時、地味子は仕事をして忘れるのがお似合い。


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