クールな上司とトキメキ新婚!?ライフ
誰も連絡すらしてこない。
気にしてほしいわけじゃないけど、席に戻らない私を1人くらい探してくれてもいいのではないかと悲しくなる。
会社に逃げ込むまでの間に、酔っ払いの私は輪をかけて面倒な女に仕上がってしまった。
21時を回ると、社屋の裏にある通用口しか開けられない。
今夜も警備員が常駐していて、出入のために名前と入館時刻を書かされたから、長居はできなさそうだ。
警備員が見回りに来て、帰宅を促されたら帰ろう。
そして、寂しく自分の部屋で、1人ぶんのベッドに横になって目を閉じよう。
記憶の核から消えてくれない部長の温もりと香りと、目を閉じた私に呟いていた声色を思い出しながら、眠りにつきたい。
フロアに着いて、暗闇で派手に光る自販機のボタンを押し、水を買ってすぐに飲む。
「はぁ……おいし」
口の端からひと筋こぼれ、手の甲でグイッと拭いながら、自席へ向かった。