【完】確信犯な彼 ≪番外編公開中≫
「……え?」
私の言葉に彼が、くつくつと笑い始める。
しばらく私を押し倒したまま、笑い続けて。
「貴志とあの日、一晩一緒に居ただろう?」
そう告げる彼の言葉に、一瞬息が止まりそうになる。
貴志と一緒に居たのは、
彼から結衣さんの話を聞いたあの晩だけで。
彼はなんでそんなことを知っているのだろう?
彼は私の顔をみて、小さく自嘲気味の笑みを浮かべた。
「あの朝、お前がアイツといるのを見て、
気が動転した……。
身勝手なのは承知で嫉妬した。
俺がお前を遠ざけたのにな……」
そっと私の頬を指先が撫ぜる。
「気づけば、お前は、
俺のココん中に当然の顔をして、いたんだ」
そう言って、私の胸元を指さした。
「……しかも、どっかで、
勝手にお前は俺のモノだって思い込んでた」
そういうと彼は小さく苦笑する。
オトコなんてアホだからな。
そう、ぼそりと呟いた。
「だが、あの時にようやく自覚したんだよ。
お前が他のヤツのモノになってしまうって思った瞬間、
俺にとって、誰が一番になっていたか、を」
待ってなきゃいけねぇ、アイツより、
お前が一番欲しいオンナになっていたってことを……。
そう彼が私の耳元で、私の好きな深い低い声で囁く。
「……まあ、結衣に関して言えば、
俺が待つ必要もなかったみたいだがな……」
そう言って、少しだけ、ほんの少しだけ悔しそうに笑った。
「……本当はちょっとさみしいんでしょ?」
思わず私が言うと、両手を押さえつけて、
私の唇を容赦なく奪う。
「……拓海、ズルイ……」
そう、潤んだ瞳で彼を見上げると、
「あのな、興奮状態の男を煽るな」
そう言って髪をかきあげる。
「アイツはいいんだよ、
アイツはアイツで大事な男ができて、
ソイツとちゃんと幸せになってくれさえすればな」
そう言う彼に向かって
「……なんか、お父さんみたいだね?」
私がそう言うと、彼が苦笑して、
「結衣にもおんなじこと言われた」と言う。
それからもう一度、一瞬考え込むような表情をした。
「……そか、初めてか……」
彼が小さくため息をつくから、私は思わず心配になってしまう。
「えっと……まずい?」
そう尋ねると、
「いや」
即座に顔を横に振る。
「……過去も現在も未来も、ずっと、
お前が俺一人だけのものになると思えば、
それはそれで、大満足だけどな」
私の目を見て、
これ以上くだらねぇ嫉妬しないで済むしな、
と、笑いながらそう言って、
色香を深めて、耳元に唇を寄せた。
「ただな、ずっと、
お前を俺のモノにしたくてたまらなかったから、
こっちは……余裕が全然ない。
お前が欲しくて、抑えが効きそうにねぇよ……」
ゾクリとするような深い声で耳元で囁く。
「……初めての奴を、壊すほど
激しく抱くわけにいかねぇだろ?」
そう言って、悪戯っぽく、喉を鳴らして笑った。