ケダモノ、148円ナリ
 ……困るな。

 うん。
 どうやら、私は困っているようだ、と思いながら、ベッドに入る。

 一体幾らするのかわからない指輪の石が月に光るのを眺め、それから、指にはまっている、微笑むイルカのリングを見た。

 そのなにも考えてなさそうな記号化された微笑みに、ちょっと笑ってしまう。

「……おやすみなさい、貴継さん」
とイルカに向かって言い、目を閉じた。






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