ケダモノ、148円ナリ
「おにいさまが結婚されると聞いてから、私はいろいろ考えてみました。

 どんな方がおにいさまのお相手なのかなって。

 きっと、私とは正反対の方なのだろうと思いました。

 ショートカットでちょっと小柄で、目鼻立ちがはっきりしていて。

 おにいさまに対しても毅然としている。

 真冬さん、想像通りの人です」

「だから、真冬が俺を好きってのは意味がわからないが」

 顕人にしては攻撃的に言ってくる。

 他人にそういう態度に出ることはあっても、私にはそんなことなかったのに。

 そう思ったが、明日実は怯まず、続きを口にした。

「いえ。
 要するに、あの方が想像通りの方だったということです。

 外見も、おにいさまに対する態度も」

 真冬は、明日実が想像していた、顕人に愛し愛されている婚約者の姿そのものだった。

 同じ言動を取る真冬が、顕人を愛していないはずがないと思った。

「真冬さん、あんな口のきき方しか出来ない人ですが、きっとおにいさまのことが大好きなんです」

「だったら、俺にどうしろって言うんだ」

 突然、しびれを切らしたように、顕人がテーブルを叩いて立ち上がった。
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