ケダモノ、148円ナリ
「なるほど。
佐野の一族をバックにつける気か。
それはそれは、根回しも完璧だね」
「違いますっ」
と明日実は言った。
「そういうの関係ありませんっ。
うちの親は貴継さんのことは知りませんしっ。
貴継さんは私が……」
と言ってしまったので、引っ込みがつかず、
「……私がレストランで見かけて声をかけただけです」
と続けた。
なに言ってんだ。
これでは、私がナンパしたみたいになっている、と思ったのだが、貴継が計算高く動いていると思われたくなかったので、そのまま黙った。
正直言って、自分の親も祖父も、この人の前ではそうたいしたものではないような気がしていたからだ。
言ったら、親に殴られそうな気はしているが……。
「違う。
その前に、俺がタクシー乗り場で声かけたんだろ。
俺が先だ。
俺の方が見る目がある」
と貴継が言い出し、よくわからないことで、二人で揉め始めると、波田常務は、
「ま……まあ、なんでもいいが。
ちゃんと親御さんには挨拶に行きなさい、貴継くん。
特にあの、佐野の爺さんには絶対だぞ、と」
と何故か忠告してくれる。
佐野の一族をバックにつける気か。
それはそれは、根回しも完璧だね」
「違いますっ」
と明日実は言った。
「そういうの関係ありませんっ。
うちの親は貴継さんのことは知りませんしっ。
貴継さんは私が……」
と言ってしまったので、引っ込みがつかず、
「……私がレストランで見かけて声をかけただけです」
と続けた。
なに言ってんだ。
これでは、私がナンパしたみたいになっている、と思ったのだが、貴継が計算高く動いていると思われたくなかったので、そのまま黙った。
正直言って、自分の親も祖父も、この人の前ではそうたいしたものではないような気がしていたからだ。
言ったら、親に殴られそうな気はしているが……。
「違う。
その前に、俺がタクシー乗り場で声かけたんだろ。
俺が先だ。
俺の方が見る目がある」
と貴継が言い出し、よくわからないことで、二人で揉め始めると、波田常務は、
「ま……まあ、なんでもいいが。
ちゃんと親御さんには挨拶に行きなさい、貴継くん。
特にあの、佐野の爺さんには絶対だぞ、と」
と何故か忠告してくれる。