ケダモノ、148円ナリ
「おにいさま、貴継さんの番号、ご存知ないでしょう?」
と言うと、

「いや、あの男は知ってそうだ」
と言いながら、着信を確認する。

「……親父じゃないか」

 えっ?
 お父様?

「キャンディさんが危篤だとか、遠くの水族館に送られるとか言うのでない限り怒るぞ」
と言いながらそれを取る。

 お父様がじゃなくて、キャンディさんがですか?
と苦笑いする。

 まあ、照れ隠しなんだろうな、と思っていると、

『貴継、今から来なさい』
と言う、調教しているときとは、全然違う声が漏れ聞こえてきた。

「なに命令して……」

『ちゃんとした格好をして来なさい。
 明日実さんは連れてこないで。

 ……お前をかばって右往左往しそうだから』

 貴継は黙り込む。

 なにか、嫌な感じかするなと思っていた。

「わ、私も隠れてついていきます」
と言ったが、携帯を切った貴継に、頭をぽんぽんと叩かれる。

「いいから。
 なにか食べて先に寝てろ。

 もしかしたら、長くなるかもしれないから」

 貴継は、一点を見て、なにか考えながら言ってくる。
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