柔らかな彼女

おそろい

11:30過ぎ、やっと彼の部屋を出た。

「どこ、行くの?」

「うん、さあや少し疲れてるみたいだから、ランチして、買い物しない?
デパート行こうよ。」

「行きたい!二人で買い物。楽しみ。」

右手をしっかり、彼の左手に絡めながら自然と笑顔に、いやもしかしたら
ニヤけた顔になっているかもしれない。

日曜の、デパートのランチタイムはどの店もこんでいて、私たちは比較的
すいている、天ぷらやさんに入ってカウンターに座り食事をした。

「ビール、飲む?」

「うん!」

瓶ビールを頼み、お互いのグラスに注ぎあいながら揚げたての天ぷらを
楽しんだ。

まずは、食器売り場に連れて行かれ、お茶碗、お椀、お箸、マグカップを
お揃いで選んだ。

「これ、どっちのうちに置こうか?それとも、全部4つ買って2つずつ
それぞれのうちに置く?」

「やだー、そんなの無駄だよ。今までそれぞれ持っているものもあるんだから。
使う頻度の高いほうにおけばいいじゃない。」

「そっかー、じゃあ、さあやんちに配送してもらおう。」

彼は、支払を済ませ配送伝票だけ私に記入させる。

その後、二人でお揃いのキーケースを買った。

色違いの皮のキーケースに、お互いのマンションの鍵をつけ交換した。
すごい、デパートに合鍵作れるところがあるなんて、初めて知った。
たけは、キーケース買ったあと、迷わず鍵やさんにきたから始めから
わかってたんだ。

付き合って?好きあって?二日目に家の鍵交換ってすごいなーと
彼の左手を握りながら、顔を見上げる。

・・・かっこいい。


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