柔らかな彼女
やっと、彼女の薬指に指輪をはめることができた。

その後、彼女がデパ地下の惣菜を温め、きれいに皿に盛りつけてくれる。

オレに濡れた布巾をわたし、

「テーブル、拭いて。」

テーブルを拭き終わり、布巾を手にキッチンにいくと布巾に手を伸ばし受け取りながら
大皿にキレイに盛られた惣菜を渡される。

「運んで。」

彼女になって、二日目。
さあや恐るべし、なんて自然にオレんちに馴染んでるんだ。

「ねえ、最初はビールでしょ?」

「うん、そうして。」

彼女が、グラス2つと350mlの缶を3本もってきた。
ん?なんで3本?

ぷしゅっと音がして、ビールを開けてグラスに注ぐ彼女。
2つのグラスに注ぎ終えると、1つをオレに渡す。

「はい。」

自分のグラスをもって、オレのグラスとカチんとぶつける。

「いただきます。「いただきます。」」

といってグラスのビールを飲み干す。
うー、うまい。
ふと、みると彼女もグラスを飲み干していた。

すぐ、残っていた缶から次を注いでくれる。
お互いの2杯目をいれると、ぴったり3本が空になったらしい。

またもや、おそるべしさあや。初めてのグラスでも入る量がわかるのか。
その後、もう3本ビールを飲んでからワインにチェンジ。

今度は、さあやを座らせてオレがワインとグラスをもってくる。

栓を抜いて、ワインを注ぐ。

「おいしいー。
私、このくらいの、渋いワイン大好き。このちょっとだけ冷やしたところも
いい。」

「オレも、この渋味好きなんだ。オレたち酒の好み合うかもな。」



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