柔らかな彼女
荒い息を、ゆっくりととのえながら、彼の目を見る。

「さあやは、エッチだね。いつもこんなに欲しがって。」

少し、いじわるく彼が言う。

そんな彼の胸をこぶしで軽く叩きながら唇をとがらせる。

「エッチじゃないもん。
エッチが好きなんじゃなくて、たけが好きなの。たけだから欲しいの。
分かってるくせに。」

彼は、私の髪に手をあて柔らかく撫でつけながらふっと笑う。

「一日、働き通しで疲れたでしょ。冷めちゃったの、温めなおそうか?」

「ううん、このままでいいよ。
でも、のど乾いた。ビールは冷たいのがいい。」

「じゃあ、出しっぱなしの冷蔵庫に戻して、冷えてるの持ってくるよ。」

彼は、立ち上がりボクサーパンツとスウェットのズボンをはくと
冷蔵庫から冷えたビールを二本持ってきた。

私も、床に脱ぎ捨ててあった、下着をはき膝上丈のTシャツワンピを
かぶる。

缶をあけ、グラスにきれいな白い泡を作りビールを注いでくれる彼。

一つを私に渡して。にっこりほほ笑む。

「お疲れ、さあや。そりゃあ、のどカラカラだよね?あんなに声
出したら。はやくビールでうるおして。」

私は、横目でジロっと、彼をにらみながらグラスのビールを
飲み干す。

「おいしーい。仕事終わりの一杯目が一番おいしい。」

「仕事って、俺とのエッチ?」

「ちーがーうう!」

なんだかんだで、二人がベットできちんと寝たのは午前2時でした。
< 31 / 36 >

この作品をシェア

pagetop