柔らかな彼女

ライバル出現?

ベットに入って彼に腕枕されもう一方の腕でホールドされ
足もがっちり、乗っけられ・・・私って抱き枕?状態。

彼の寝息をおでこにくすぐったく感じながら、今日の
てまりでのことを思い出す。

てまりには、珍しく若い女の子四人組のお客さんが来た。

テーブル席に案内する。

彼女たちはそれぞれ、甘口のサワーやカクテルを頼んで
乾杯してから話しだした。

「で?本当にこのお店なの?さおり?」

「うん、こないだ、田川さんが携帯で話してるの横で聞いてたら
”てまり”って聞こえたもん。最近よくきてるんだと思う。」

「今日はいないみたいだね。っていうか、さおり、彼氏いなかった?」

「先月、別れたの。
やっぱり、もう同年代の男は嫌だ。子供っぽいし、余裕ないし。
須藤さんなら、あの若さで課長だし、何より顔が好みだし、あの
逞しい腕に抱かれたい!」

いきなりの抱かれたい発言、しかもこの須藤さんって彼のことだ。

「廊下で会って挨拶したときに、今度ご飯連れて行ってください。
とか、結構アピールしてるんだけど、向こうからは全然誘って
くれないの。」

「じゃあ、脈ないんじゃないの?」

「だから、これからはちょくちょく彼の前にあらわれて見てみて
作戦しようと思って。須藤さんの情報あったら、みんな教えてね。」

そんなきゃぴきゃぴ、大きな声で話してたら、嫌でも聞こえちゃうよ。
やっぱり、たけ、もてるんだ。
なんだか、あの女の子の一方的な思いってわかっても少し心がざわざわ
しちゃって、帰ってきてすぐおねだりしちゃった。

彼女が、私と違って、何か女子力高くて、ふわふわ、きらきらしてたから
気になってしょうがない。
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