柔らかな彼女
目が覚めて、ベットサイドの時計をみると6:45.
すでに、彼女の姿はなかった。

寝室から出て、リビングにいくとテーブルの上にニラの卵とじ、
小さ目の焼鮭、きんぴらが並んでいた。

「すぐ食べるなら、ご飯よそうよ。」

とこちらも見ながら、笑顔の彼女。

「うん、食べる。」

自然と自分も頬がゆるむ。

炊飯器の前にたつ彼女の後ろに回り、腰に手をまわして
抱きしめ、彼女の髪に顔をうずめて大きく息を吸い込む。

「やだー、なんか変態っぽいよ。
思い切り、髪の匂い嗅いだでしょ?
もう、ふざけてないで顔洗ってきて!」

ふふっと笑いながら、身をよじる彼女に

「はーい。」

とこたえて、顔を洗いに行く。

もどると、すっかり準備ができていて、俺も彼女の隣の椅子に
並んで腰掛ける。

「「いただきます。」」

と二人で手を合わせ、朝ごはんを食べる。
すごい、幸せ。

「そうだ、昨日言い忘れたけど、てまり辞める話、大将にしたから。
取りあえず来週から日数減らしてくれるって。
今日も、0:00過ぎるから、先に寝てていいよ。」

「ご飯は、タイマーで炊けるようにしてある。
タッパに常備菜何品かできてるから、好きなの出して食べて。
あと、何かメインになりそうなおかず一つ買ってくれば十分だと
思うんだけど。」

「ありがとう、じゃあ、冷蔵庫の中見て食事して待ってる。」

「だーかーらー、起きて待ってなくていいって。
逆に早めに寝てて。帰ってきたら絶対起こすから、体力温存して。」

あれ?どういう意味?

食器を俺が洗っている間に、彼女が身支度を整え、一緒にマンションを
出る。
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