柔らかな彼女
駅の改札で彼女に手を振り、見送った後、ゆっくり会社に向かう。

今日も、さあやのうちに帰るつもり。

何か、俺の部屋、もういらないかな?別々に部屋がある意味って
あるのかな?

図々しいけど、今日、彼女が帰ってきたら一緒に暮らしたいって
話をしよう。

なんか、カズが言うとおり、俺ってこんな男だったかな?
マンション解約して、彼女の家に転がり込もうとしてるって
ことだもんな。

まあ、いろいろ考えなくてもなるべく一緒にいるための手段は
どれだけでも、使ってしまおう。



今日は、ちょうど12:00から昼休みがとれた。
社食にいってB定食を食べていると

「ここ、よろしいですか?」

向かいの席の椅子をひきながら、女子社員が話しかける。

「どうぞ。」

「・・・あのっ、須藤さんって、今の彼女さんといつから
お付き合いされているんですか?」

いきなり、向かいの女の子が話しかけてきて驚く。

「???」

「すみません、いきなり。昨日駅前で会ったときに、彼女の
おうちにいらっしゃるって聞いたから。」

「あー、昨日、駅前で会った子だ。ごめん、気づかなかった。
付き合い始めたのは、最近だけど?」

なんだ?この子。

「私も、立候補します!須藤さんの彼女!」

はい?なんて?

「いや、すみませんがお断りします。」

そのとき、向かいの席の隣の椅子がガタンと動いた。

「はいはい、そこまで。伊藤さんはこんなところで何言っちゃってんの?」

とトレーをテーブルに置いて、座りながらカズがその子の頭
をポンポンと叩く。
はっとしたように、カズのほうに目をやって、真っ赤になった
伊藤?さん。

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