イジワル副社長と秘密のロマンス


「雑誌やテレビで見たことある売れっ子モデルたちがいっぱいいるよ。見てるだけでドキドキしちゃう」


隣りに並んだ星森さんが、胸元に手をあてながら深く息を吐いた。緊張が緩和したのか、少しだけ表情が柔らかくなっていく。


「すごい豪華な現場だよね」

「三枝さんもそう思う? 私なんかさぁ、場が華やかすぎて居心地悪いって思ってる……でも社長たちは流石だよね。堂々としてる。むしろふたりとも男性モデルに負けないくらい、イケメンオーラ出してるかも」


スタジオ内を改めて見回してから、藤城兄弟に目をとめる。「確かに」と苦笑いした。


「あっ。ふたりだけじゃないか。ロイヤルムーンホテルの白濱(しらはま)副社長も引けをとってないもんね」

「……あの男性(ひと)、副社長だったんだ」


ついつい、声に不快さを滲ませてしまった。

あの軽そうな男性がロイヤルムーンホテル側の責任者なのかもと予想はしていたけど……副社長だったらしい。

樹君。白濱さん。それから袴田さん。一口に副社長といっても、いろんなタイプがいるものだ。

人懐っこい笑みを浮かべ津口さんと話をしている白濱副社長は、ここに仕事ではなく遊びにでも来ているかのような雰囲気を放っている。


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