イジワル副社長と秘密のロマンス
「これ、異様な体型だけど、まさか中に盗聴器とか仕込まれてたりして」
「まさか! 樹君がそんなことするわけないじゃないですか!」
「えっ。本当に藤城弟からのプレゼントだったのか。だったら有り得る。今さっきもタイミングを計ったように邪魔されたし」
「違います。さっきの着信は友達からです」
樹君からではない。親友の椿からメールが送られてきたのだ。
事実だけど、白濱副社長は半信半疑といった様子だった。「ふーん」と納得いかないような声を発しながら、手の中でぬいぐるみを弄んでいる。
「壊さないでくださいよ。とっても大切なものですから」
返してくださいと言いたいところだ。けれど、ぬいぐるみを見る瞳が真剣なものに変わっていったこと気付いてしまったため、私は注意するだけにとどめた。
「……なかなか可愛いね」
「有難うございます。私もそう思います。宝物です」
褒めてもらえたことがとても嬉しくて、笑みを堪えきれずにいると、白濱副社長が苦笑いした。
「千花ちゃんは可愛いね。藤城弟のものなのが残念だよ」
自分のことまで褒められてしまった。思わず顔が熱くなる。褒め言葉に慣れてなく、うまく反応できずにいると、「ほんと可愛い」とまた囁きかけてくる。さらに熱が上昇してしまった。