イジワル副社長と秘密のロマンス
水色の淡い光にライトアップされ、一つ一つが輝きを放っているみたいでとても綺麗である。
「千花、お酒は飲める?」
「うん……でも強い方ではないかも。いつも甘いお酒ばっかり飲んで、満足してる」
「あぁ、確かに。千花はそんなイメージ。で、ちょっとの量で酔っぱらって、ねちねち絡んでくるんでしょ?」
「絡まないっ!」
樹君に小馬鹿にされ睨みつけると、先ほどの男性店員が目の前にやってきた。
メニュー表がないと何を頼んでいいのかも分からなく、視線を彷徨わせた私の傍らで、樹君は流れるようにお酒や料理をオーダーしていく。私のぶんもだ。
場慣れしている様子に、本当に同い年なのかと疑いを持ってしまう。
オーダーし終えた後、樹君は頬杖をつき、黒ネコのぬいぐるみを片手で弄ぶ。その横顔はちょっぴり子供っぽくて、やっぱり年上には見えなかった。
壊れてしまった頭部の飾りを弄ったあと、テーブルの上にぬいぐるみを寝かせて、樹君が私を見た。
「俺にどう絡もうか、頭の中で作戦会議?」
「そっ、そんなんじゃないよ。酔っぱらうほど飲むつもりもないし」
「酔って色っぽく迫ってくる千花も、俺は見たいけどね」