イジワル副社長と秘密のロマンス
しばらく立ち直れなかったけれど……それでも、彼の言葉は私の中で生き続けていた。
どれだけ離れ離れになっても、絶対にまたいつか会える。彼と同じ時間を過ごせる時がくる。
時間が悲しみを和らげてくれれば、徐々にその気持ちが強くなっていった。
そんな立ち直り方をしたからか、私の心の中にはずっと樹君がいた。
だから、彼が素敵な女性と幸せになっている現状を目の当たりにしない限り、彼への思いにピリオドを打つことなんてできない。
そう思っていたのに……。
「俺は千花と付き合いたい」
樹君が真剣な顔をしている。冗談じゃない。私をからかっているわけでもない。
「前よりももっと真剣に」
彼の言葉の一つ一つがとっても嬉しい。嬉しくて気持ちが舞いあがっていく。
同時に、浮かれ始めた心にストップをかける自分もいる。
今の私を知ったら、昔の方が良かったとか、こんな感じゃなかったとか、樹君をがっかりさせてしまうかもしれない。
樹君がモデルやら華やかな女性が身近にいるような、そんな環境で生きているのだとしたら、私と付き合ったところで、外見も中身も平凡すぎてつまらないと、やめておけば良かったと後悔してしまうかもしれない。
「千花。こっち見て」