イジワル副社長と秘密のロマンス
彼の言葉に反応し、俯きがちだった視線が自然と上がっていく。目と目がしっかり合った。
「千花ともう一度、恋愛したい」
ドキリと、大きく鼓動が跳ねた。
樹君のその一言で、抑えていた彼への愛しさが一気に膨らんでいく。私の中にあった余計な感情がすべて飲み込まれていく。
もう一度付き合ってみたい。私も彼と恋愛をしてみたい。
湧き上がってきた気持ちに従うように、私は樹君に向かって……こくりと、頷いた。
「……良かった」
彼は軽く息を吐き、無邪気にも見える笑みを浮かべた。
思わず目を見張ると、彼はちょっぴり照れくさそうに口元を手の甲で隠す。
「柄にもなく緊張した」
続けて、ふて腐れた口調でそんなことを言う。
いつもクールで、何事に対しても余裕そうな顔をしてるのに、今この瞬間、私の目の前にいる彼はとっても可愛らしかった。
そんな顔もできるなんて、樹君、なんかちょっとずるい。
普段と違う一面を見せられ、鼓動が加速していく。キュンとしてしまった。不可抗力だ。
彼は気持ちを切り替えたのか、すぐに涼しげな表情に戻ってしまった。グラスを持ち上げ、そのまま私のグラスに軽く押し当てる。