拾われた猫。
朝食を済ませた後、斎藤一と廊下で居合わせる。
「……」
何かを言いたげに私を見つめる。
首を傾げると、少し照れくさそうに視線を斜め下に向けた。
「…お…俺のことは、『一』でいい」
人に言えた義理ではないが、表情の薄いこの人のこんな顔を見るのは初めてだった。
「一」
「…なんだ?」
「可愛いね」
思った言葉を口にしただけで、一は動揺してしまった。
顔を赤らめて、普段見られない顔が見える。
「おやおや、甘酸っぱいですね」
そう言って姿を表したのは長髪の麗人だった。