サヨナラの行方



「でも、電話してきていいですか?出来たら、ロビーとかで」


「いいよ。ここに帰ってきてさえくれれば」



ここまで言って逃げてしまうようなことはないと思い、それは許可した。



「逃げはしません。コレ、置いていきます」



そう言って、信頼されているのかいないのか、携帯だけを持って鞄を置いて行った。



「どう、解釈すればいいのか……」



その鞄を見つめつつ、1人呟く。

結局、コレを置いて帰る訳がないから、人質扱いなのだろう。


まぁ、細かいことは気にしない。

悠月が生きていてくれた。

それだけで、嬉しいのだから。

思った以上に嫌われている状況は痛いけど、そばにいる。

その事実だけで、何でも出来る気がする。




< 189 / 317 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop