サヨナラの行方



「ここにいること以外、強要はしないから。誰と連絡を取ったっていいから、ここにいて」



正直、なぜ課長がここまで言うのか分からなかった。

必死で懇願しているように見える。


たかが不倫相手。

課長に気持ちなんかないはずなのに。

どうしてここまで私に拘るのか。


こんな状況じゃ、勘違いしそうになってしまう。

あの時、もう誰にも恋はしない、1人で生きていくと決めたのに。

すがりたくなってしまう。



「……分かりました」



結局、課長の申し出を断ることなんて出来なかった。

一緒にいれば、色々欲求も出てくると思うのに。

それでも私は、そばにいたいと思った。

何一つ本当のことを話してはいないのだけど。



「でも、電話してきていいですか?出来たら、ロビーとかで」




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