サヨナラの行方



そんなことを言われるとは思わなかった。

結婚しているのだから、その話しを聞いたところでどうしようもないはずなのに。



「でも、何で死ぬの?究極の選択だよね?」



不思議そうに紗希ちゃんが口を挟む。

課長に言わないことは納得出来ても、死亡は疑問だろう。



「一つは、全てをリセットするため。実家の方にいても、ここに同郷者はいる。その人の耳に入れば、ここにバレる可能性はあるから。
もう一つは、実家に子供のことがバレないため」


「実家に?なんで?」


「子供を産んだと分かれば、有無言わさず取り上げられる。ましてや、父親がいないことは実家にとっては好都合だから」


「え?実家って何者なの?」


「一応、名が通った資産家。外は仲良い家族。内は、ほとんど口もきかない。
跡取りは必要だけど、私たち姉弟はダメ。だから、孫が欲しいの」




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