サヨナラの行方
そこまで言ってハッとしたけど、もうすでに遅い。
小声で言った訳でもなく、全て丸聞こえ。
「売り言葉に買い言葉みたいになってしまったけど、ちゃんと聞きたい」
言ってしまったことは、なかったことには出来ない。
そもそも、好きだったことは言っていた。
だからもう、逃げることなんて出来ない。
心配だったのは、凌馬のことだけ。
でももう、その心配もないんだ。
「…………私も、誰よりも課長が好きです」
「結婚してくれますか?」
「はい」
「やったぁ」
返事をした瞬間、拍手と歓声がした。
全員が口を挟むことなく、見守っていた。
仕事の邪魔をしたと思うのだけど、誰も何も言わなかった。