不器用男子に溺愛されて

「あとさ、こんな事まで話したら多分怒られちゃうけど、堀川、最近やたら小畑さんのこと気にしてるよ。佐伯さんとよく話してるのも気に食わないみたいで、小畑さんが佐伯さんと一緒にいるところを見た日は機嫌の悪さと性格の悪さ、リアルに3倍だから」

 森田さんの言葉に、私はついに涙を零した。森田さんの勘違いの可能性だってあるし、本当はそうじゃないかもしれない。だけど、こんなの、本当だったら嬉しくて仕方がない。

「小畑さんが一番知ってると思うけど、あいつあんなんだからさ、傷つくこともたくさんあると思うけどあいつなりに小畑さんのことはちゃんと考えてるよ。小畑さんに仕事を辞めろって言ったことも、実は意図があるから」

「え?」

「ここから先はもう言えないけどね。まあ、とりあえず、我慢しないであいつには我儘いっぱい言ってやってよ。関係も、このまま終わらせないでやって」

「森田さん……」


 森田さんの言葉に、私はまた泣きそうになった。

 私だって、終わらせたくない。

 私だって、理久くんともっと、ずっと一緒にいたい。もっと、たくさん話をして隣で笑っていたい。


 もう、森田さんの勘違いでも、私の勘違いでもなんでもいいや。


 私、もう一度理久くんと向き合おう。



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