不器用男子に溺愛されて

「うん!買う!咲ちゃん、私、それ買う!明日からそれ履く!」

「よし、決まり!」

 そう言ってヒールをカウンターへ持って行った咲ちゃん。私はそんな咲ちゃんに続いてカウンターに向かい、ヒール8センチのパンプスを購入した。

「よーし、次行きまーす」

 購入したパンプスの入ったショッピングバッグを片手に、私は咲ちゃんと次の場所へと向かった。

「次は、みや子の新たなメイクアップ用品を買いまーす」

 次に私たちがやってきたのはコスメショップ。私が普段使っているコスメブランドは〝大人のかわいらしさ〟がテーマだ。しかし、私と咲ちゃんがやって来たのは、その〝かわいらしい〟という言葉とは正反対のイメージをもつブランド。

「目指すべきは、大人の魅力あふれる女性だからね。いつも薄ピンクだけど、赤に近いような色のリップとかもつけてみるのはどう?」

「うん!赤っぽいリップ、した事ないけど……したら大人っぽくなれそうな気がする!」


 いつも、ブラウンをベースにしたキラキラのシャドウをして、長い睫毛も綺麗にマスカラで飾られている。そして、赤リップや濃いピンクのリップで大人っぽく仕上げている咲ちゃん。私は、そんな咲ちゃんにメイクの指導をされ、メイク用品を購入すると店をあとにした。


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