最後の瞬間まで、きみと笑っていたいから。

私が選んだのは、観覧車だった。

1周15分。私たちの住む町並みを見下ろすことができる、大きな観覧車。


「お前、こういうのが好きなの」


乗って早々、正面に座った多賀宮くんが渋い顔になる。


「うん、大好き!」

「マジかよ……」


力いっぱいうなずいた私に、呆れたようにため息をつき、うつむいてしまった。


あれ。もしかして、子供っぽいって思ってる?

確かに高いところにはしゃぐなんて子供っぽいかもしれないけど、ジェットコースター3回も乗る人にそんなこと思われたくないんですけど……。


窓にもたれながら外を見つめた。

もう完全に陽は落ちていて、でも遊園地の周りだけ煌々と明るく照らされて。


きれいだなぁ……。


うっとりと夜景に見とれていたら

「……アミカ」

突然名前を呼ばれて、心臓が跳ねた。
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