王太子様は無自覚!?溺愛症候群なんです

ライアンは呆れたように息を吐き、ダークブロンドの髪を乱して言った。


「まあまあ。一度、おふたりできちんと話し合われてはいかがですか。殿下のお気持ちもわかりますが、ラナ様に今の生活はあまりに窮屈でしょう」


彼がそう言って部屋を出て行こうとするので、エドワードは慌てて引き止める。

ラナときちんと話し合いなど持ったら、どちらが折れるかは目に見えていた。


「お前は主君を見捨てるのか」

「馬鹿をおっしゃらないでください。友人を見捨てるのです」


薄情なライアンはこれ以上人騒がせな恋人たちの痴話喧嘩に付き合うのは嫌だったので、そそくさと執務室を後にしてしまった。

これにて、エドワードの敗北は決まったようなものだ。

エドワードは仕方なく席を立ち、引導を渡されるためにラナの隣に腰を下ろした。

頬を膨らませている彼女の腰を引き寄せ、頭の上に顎をのせる。


「俺はもう、一秒たりともお前を危険な目に遭わせたくないんだ。わかるだろう」


ラナはおとなしくコクリと頷く。

彼を好きではなくなるなどというのは当然本気ではなかったので、勢いに乗ってわがままが過ぎたかもしれないと反省していた。

エドワードはラナの頭をポンポンと撫で、こめかみに唇を押し当てる。


「俺は城内ですら安全ではないなどと言いながら、お前を城の中に閉じ込めているな。ただラナのことを独占したいだけなのかもしれない」


彼に宝物のように抱きしめられると、ラナもいつまでも強情ではいられなかった。
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