人魚姫の願い
そう思い私は水着に着替えてプールに入った。


誰もいないプールで私は泳ぐ。

仰向けになって泳いだりクロールしたり‥。

私の味方は水だけなのかもしれないね‥。


ピチャン!!

水が落ちる気配がして、振り向けばそこには人がいた。


「美凪ちゃん‥?何、やってるの?」


「千世ちゃん‥。」


そこにはクラスメイトで同じ水泳部の千世ちゃんがいた。


私は何て言っていいか分からなかった。

だから黙っていた。

そしたら‥

「じゃあ、私も泳ごうかな!」

千世ちゃんはそう言うと制服を脱いだ。

「えっ!!?ちょ‥ちょっと待って、千世ちゃん!!!さすがに裸は駄目だよ!!」

私は慌てて言った。

そりゃあ、慌てるよ。同じ部員として‥

「大丈夫だよ。水着すでに着てるし。ほら」

見てみるとそれは水着だった。

私が心配するまでもなかったことに気づき、恥ずかしくなった。

そう思ってると千世ちゃんはプールに入って泳ぎ始めた。

「千世ちゃんは‥私のこと追いかけてきたの?」

それが私にとって疑問だった。

「えっ?何のこと?‥私、今日は寝坊したんだ。それで慌てて走ってたらプールで誰かが泳いでる音、聞こえたし来てみたんだ!」


「そ‥そっか!寝坊したんだね!」



ちょっと、安心している自分がいた。

朝の話を聞かれずにすんでよかった‥て。


「‥大智に何か言われた?」

ドキッ!!

私の心臓が高鳴る。

なんで‥わかるの?言われたこと‥。


「やっぱりそうなんだー。‥確かに大智は負けず嫌いだし、言い方がきついときもあるよ。」

千世ちゃんはあお向きに泳ぎながら笑顔で答えていた。

「ねぇ‥千世ちゃんと大智くんはどういう関係なの?」

そう言うと一瞬、千世ちゃんは表情を曇らせたがすぐ笑顔になって答えた。

「ただの幼なじみだよ。それ以上の関係でもない‥。」

ちょっと寂しそうな表情だった。

「な‥なんか‥ごめん。」

少し申し訳なくなってしまった。
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