人魚姫の願い
「気にしないで!私、なんとも思ってないから!それでも‥ちょっと言い方はきついよね、大智は‥。」

「うん。‥私が悪いんだ。最後の最後にこけたりするから‥。」

また、大智くんの言葉が頭の中に響く。

「大智はしばらくしたらそんなこと忘れるよ絶対。いつだってそう。すぐ忘れる。」

「そうかなー。あの調子だと死ぬまで根に持ってそうだよ。」


すると千世ちゃんが泳ぐのをやめて私に向き直った。

「じゃあさ、大智のこと見返してやらない?」

「見返す?どうやって?」

千世ちゃんがいたずらぽい口調で言った。

「体育祭をやり直すことは無理だけど、部活で見返すの。毎朝、早く来て朝練して結果出せば大智も許してくれるんじゃないかな?」

「えー。でも‥」


朝は得意じゃないしな‥


「‥何もしなかったら何も変わらないよ?美凪ちゃんはそれでもいいの?ずっとこのままでも‥。」



朝の教室の雰囲気がよみがえる。


「い‥嫌だ‥。千世ちゃん‥私、大智くんを見返したい。」


「よし!決定だね!でも‥これは美凪ちゃん1人でやらないと意味がないから、美凪ちゃん‥頑張ってね!」



あっ‥一緒にはやってくれないんだね‥。


「うん!私、頑張るね!」



そう言って私が自主的に行う朝練から1日はスタートした。
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