人魚姫の願い
「‥美凪は‥頑張りすぎなんだよ‥。俺が知らないとでも思ってた?」
「‥先輩‥。」
知らないと思ってた‥
「知ってたよ俺は。美凪が朝練してること。毎朝プールに入っていくところ見てたし‥。」
「だったら、なんで‥わっ‥!」
顔を上げて先輩の顔を見ようとしたらさっきより強く抱きしめられた。
先輩のにおいがした‥
「‥何か、あった?頑張りすぎたからにはちゃんと理由があるんだろう?そうなった、きっかけが。」
先輩が優しく問いかける。
涙が込み上げてくる。
「私に‥優しく‥しないでください‥。そしたら私、また先輩に頼ってしまいます‥。」
これは私の問題。先輩に参加されては‥解決できない。
それに‥迷惑かけたくない‥。
「頼ってよ美凪。そんなにつらい顔されると俺だってつらいよ。そんなに俺のことが頼りない?信用ならない?」
先輩が悲しそうな表情をした。
ズキッ!私の心にも響く。
「ち‥違います!!先輩は頼りになります!だけど‥先輩に迷惑がかかってしまいますー。先輩には‥先輩だけには‥迷惑‥かけたくないですー。‥ッ‥‥。」
最後は涙でぐしゃぐしゃになった。
すると須崎先輩は私の涙を指ですくった。
「俺は俺の意思で今、美凪の隣にいる。こんなに近くにいるんだから美凪の気持ちを吐きなよ。いっぱい俺に迷惑かけろよ。」
「しぇ‥しぇんぱい‥。」
鼻水が流れて、ちゃんと言葉にならなかった。
「よっぽど‥辛かったんだな‥。」
すると先輩がスマホを出した。
ピコン!
私のスマホの音がした。
見ると須崎先輩の名前が出ていた。
「これ、俺のLINEね。話したいこととかあればいつでも連絡して。でも‥今日は‥」
先輩は私のおでこに手を当てた。
ドキッ!!
私の心臓がはね上がる。
「熱があるから今日は帰った方がいいよ。まずは体調を整えないとな。美凪が元気になったら話、聞くよ。だけど‥美凪は話したくないか。」
「い‥いいえ‥。話させてください‥。私が元気になったら話、聞いてください‥。」
顔がすごく熱くなる。これは‥熱のせいだと思っておきたい。
「うん!悪かったな。熱あるのに邪魔して。」
「そんなこと‥ないです‥。今日は帰りますね‥。」
私は荷物を持って帰る準備をはじめた。
「うん。お大事にね美凪。」
私は礼を言って保健室を後にした。
須崎先輩は‥いつも笑ってて私に優しい‥。