エメラルド・エンゲージ〜罪の葉陰〜
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ハルヒコ・カンバラ―――ハルヒコ様は、鉱山事業で富を得たというカンバラ家の、現当主の三男にあたる方だ。
カンバラ財閥の子会社である鉱石加工会社の、社長のポストについている。
少し憂いを帯びた優しい瞳が印象的な、年齢的にも落ち着きと若々しさを兼ね備えた美男子だ。
やった。かなりのアタリをひけた。
ハルヒコ様に買い上げられると決まったとき、それが私が抱いた正直な感想だった。
『原石園』から〈グリーン〉を買う客は、ほとんどが50代以降の男性だ。
〈グリーン〉を囲うことは、社会的に成功したというアピールであると共に、老後の楽しみにペットを飼うような感覚でもあるらしい。
さらに、買われた〈グリーン〉は、特に女子ならばほとんどの場合、主人と愛人関係を結ぶことになる。
彼らが必要としているのは、「グリーンを買った」という事実だけだからだ。